ビジョン奈良 奈良の将来ビジョンをつくるフォーラム
 

第2回教育分科会

  • 日時:10月15日(土)14:00-17:30
  • 内容:奈良の教育への提案(概案)
  • 場所:奈良県立大学3号館2階ホール
   第2回教育分科会案内チラシ.pdf
 

第1回教育分科会の概要

奈良の将来ビジョンをつくるフォーラム

1回教育分科会の概要

座長:池原健二

1.はじめに

  今年度設置された教育分科会での議論をできるだけ実のあるものにするため、分科会の前段階として教育研究会を2回開催した。また、1回教育分科会では2回開いた教育研究会の参加者の中から3名の方々に、以下に示すように現在の教育の持つ問題や今後のあるべき教育の姿等についてご講演願い、その後で総合討論を行った。

2.事例報告

「非行・不登校など問題をもたされている子どもの指導について

比嘉昇(夢街道国際交流子ども館・理事長)

比嘉先生から、「学力は学歴ではない」、「人間は20年間で1人前になる生き物」、「人間らしく輝いて生きる人生を」、「親が強迫観念を持って教育すると非行に走る子どもができやすい」、「非行と不登校はコインの裏表」、「教師の暴力は体罰、生徒は暴力と言われるなど子どもがいつも不利」、「義務教育は親の義務であり子どもの権利」、「池田政権時代、教育は3%のハイタレントを養成するものと言われたこと」、「驚くべきことに子どもの3割が孤独」、「人間が人間になれない体になっている」など、先生が「夢街道国際交流子ども館」の理事長として不登校の生徒さんを集め、実践されてきた教育から見える問題点等の指摘や提言に満ちた貴重なお話を聞かせていただいた。


「持続可能な社会づくりのための教育を奈良から発信する」

中澤静男(奈良教育大学専任講師)

  中澤先生からは最初に、天然資源の枯渇、地球の温暖化、大量の廃棄物、人口増に伴う食料問題、平和の問題など実例に即して日本が持続可能な社会かどうかについて検証する話があった。その後で、持続可能な社会を作るための教育として、価値観の変革、行動の変革を通じて、態度形成を行うことが重要だとの指摘があった。さらに、奈良にもあったピラミッドとして「頭塔」の紹介あり、多すぎる観光客を入れないことが遺産を長年にわたって残すことにもつながる例など、奈良には多くの世界遺産(文化財)があり、これを将来に長く残す、地域を知る教育を進めることの重要性の指摘や奈良から奈良の文化遺産を生かした「持続可能な社会の担い手を育てる教育」提言することの重要性が語られた。


「奈良における教育の現状」

村内俊雄(大阪市立大学院)

今、学校で起きている問題から始まり、いじめの件数や不登校生徒の状況、奈良における暴力行為、PISA国際ランキング、世界の学校間・学校内学力格差、奈良の生徒の体力調査、全国学力調査および全国学力調査からみた奈良の状況など詳細なデータに基づいて、現在の教育、特に奈良が抱える教育の問題点の解説があった。これらのデータに基づき、これからの教育を考える上で、社会構造の大きな変化が問題となっていることや今後の教育のあり方について、地域に根ざした教育や教員と学校の評価システムを確立することの重要性、小学校と中学校を接続すること、義務教育の意義を再確認することの重要性などの提言があった。また、村内先生が実際に見てこられたフィンランドやキューバ、ハバナなどの教育の現状の紹介と我が国の教育との違いが指摘され、我が国の教育の改善点の提起があった。


3.総合討論

最後に、会場より子どもが社会を引き継げる教育をすることの重要性、子どもがバランスの取れた育ち方をしていないとの指摘、先生も国旗・国歌の問題から分かるように教職員組合の影響にゆがめられているとの指摘、兵役等の集団教育や家庭の教育力を取り戻すため3世代同居の家族に戻すことの必要性、奈良県としてどういう人材を作り出すのかや偏差値教育に対する疑問、先生が人生の親ともみなされていた戦前の日本は良かったとの指摘、子どもにリアリティーを持たせるためには人と人の出会いやつながりが重要だとの指摘、現在の奈良市の財政の悪化もあって奈良市は教育にお金をつぎ込んでいないが、昔、藩の財政が悪化した時、教育にお金をつぎこみ藩が立ち直って例の紹介、学ぶことは面白いし、学ぶことによって生きていくための選択肢が広がるのだとの指摘など、出席者の皆さんと講師の先生方との間で活発かつ真剣な意見の交換が行われた。

4.おわりに

 今後は、これまでの2回の教育研究会と第1回教育分科会で出た様々な問題点の指摘や今後のあるべき姿に対する意見等を踏まえ、まずは共通認識の得られる点の確認からはじめ、議論の分かれる点については真摯な意見の交換を通じて問題を解決するための具体的な方策をまとめていきたいと考えている。

 なお、今年度後期での教育分科会では、教育の持つ全般あるいは奈良県に特化した問題点の解決に向けて具体的な提言ができるよう議論を進めたいと思っている。


第1回教育分科会


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次回予告


2回教育分科会を以下のように開催いたします。沢山の皆さんの参加をお待ちしています。

日時:93()14:00-17:30

会場:奈良県立大学3号館2階ホール

内容:これまでの教育の持つ問題点の指摘や今後のあるべき姿に対する意見等について共通認識の得られる点の確認、議論の分かれる点についてさらに意見を交換しながら、問題を解決するための具体的な方策を中心に議論します

詳細は今後掲載します案内チラシでご確認下さい。

 

第1回教育分科会

  • 日時:7月16日(土)14:00-17:30
  • 会場:奈良県立大学3号館2階ホール
  • 内容:教育の現状と課題を探ります(添付ファイルをご覧ください)。
 

教育政策提案募集中

<教育政策提案

 

 1.提案タイトル

 2.現状と問題点

 3.将来像(目指すべき奈良の姿)

 4.必要な政策等

 

1-4について、600から800字程度でお願い致します。

     ・最後に、お名前と連絡先をお書きの上、教育政策提案受付 までお送り下さい。

     ・決まった書式はございません。ご自由にお書き下さい。


 

教育分科会

第2期から、教育分科会が新設されました。
以下のキーワード等について論議していきます。

地域で守り育てる/地域を知る・誇る/人間力/地域による学校教育支援
理数系教育/最先端教育機器/学ぶ機会の拡大/盛年の社会再参画
奈良の特性を活かす高次人材育成機関


座長:池原健二(奈良女子大学名誉教授)
(放送大学奈良学習センター所長)