ビジョン奈良 奈良の将来ビジョンをつくるフォーラム
 

第5回農林業と食料分科会の概要(7/9開催)

奈良の将来ビジョンをつくるフォーラム

5回農林業と食料分科会の概要

座長:木村衛


1.はじめに

  昨年(第1回-第3回)は、県担当者から農林水産業の現状と施策概要について説明を受け、質疑応答・意見交換して奈良県の農林水産業と政策に対する認識を深めました。

  本年は、県内トップクラスの農林業経営者から事例報告・提案をいただき、奈良県の農林業が目指すべき方向・あるべき姿について大いに議論をし、閉塞的な現状を打開しうる政策提案を導き出せればと考え、第4回分科会は、農業経営で素晴らしい実績を上げるとともに地域農業のリーダーとしても活躍されている方々の熱い思いを聴いて、農業の再活性化方策など幅広い課題について話し合いました。

  第5回分科会では、林業と木材業における県内業界の第一人者で、それぞれの経営方針が全国的にも注目を集めている二人の経営者から、新しい時代に向けた奈良県林業と木材業の振興方策や経営のあり方等についてお考えを聴き、意見交換を行いました。

第5回農林業と食料分科会


2.事例報告

「林業」岡橋清元(清光林業()代表取締役会長)

奈良県屈指の林業家。若い頃から育林・伐採・集材のコスト低減が経営安定には不可欠と考え、所有林地に葉脈状の作業道整備を推進。近年、我が国林業の再生と森林保全の切り札として、自然に逆らわない、災害に強い道作りが全国的に高い評価を得ている。

「木材業」 貝本博幸(吉野銘木製造販売()代表取締役)

     育林から製材・木材販売、木造住宅の設計・施工まで総合的に手がける木材業界のリーダー。

吉野材を中心に高級国産材の取り扱いに定評があり、多くの国宝・重文級建築物の修理・復元に必要な木材を供給。また、県産材への多様な需要に応えるため県規模でのストックヤード整備の必要性を提唱。


3.総合討論

  奈良県の林業・木材業は、今、乗り越えねばならない難題が山積して極めて厳しい状況にあるが、何とか課題を解決して明るい未来を切り開きたいとの熱い思いが会場に充満し、建設的かつ真剣な意見交換会になりました。

 長年の経験に基づく説得力のある報告や具体的な事例を挙げての明快な説明に、出席者一同、林業・木材業の現状について理解が深まり、まさに、林業関係者には今後の対処指針となる何かを感じさせ、また、その他の方々も森林保全・林業支援の活動を効果的に行うための大きな糧を得ることができる分科会でした。


4.おわりに

 激動する厳しい経営環境の中でも成果を上げておられる方々の考え方や経営姿勢に触れて、経営者には社会の変化に対応する柔軟性、大局的な視野と着実な実行力が必要であること、

また、消費者(需要者)目線に立ってニーズを捉えることの重要性、奈良県の農林業の特長を生かす発想の大切さを改めて強く認識させられました。

そして、奈良県の農林業が将来にわたって継続・発展するためには大変革が不可避であり、そのために行政・関係団体・当事者である農林業者の意識改革が急務であると痛感しました。

 第4回及び第5回分科会における意見・提案等を踏まえ、奈良県の農林業を支える経営体の育成や先導的・モデル的な経営への支援について、何らかの方策を示したいと考えています。

 なお、来年度以降は、観光産業、医療・福祉、教育、生活・居住等々幅広い分野で、農林業の多面的な機能を効果的に活用するための方策を検討したいと思っています。

 

第5回農林業と食料分科会

開催いたしました。沢山の皆さんにご参加頂きありがとうございました。

日時:7月9日(土)14:00-17:30
会場:奈良県立大学3号館2階ホール
内容:林業を中心に議論します
詳細は案内チラシでご確認下さい。
 

第4回農林業と食料分科会の概要(4/23開催)

座長:木村衛

1.はじめに
  昨年(第1回-第3回)は、県担当者から農林水産業の現状と施策概要について説明を受け、意見交換を行って奈良県の農林水産業と政策に対する認識を深めました。
  本年は、県内トップクラスの農林業経営者から事例報告・提案を伺って、奈良県における農林業の目指すべき方向・あるべき姿について大いに議論し、閉塞的な現状を打開しうる政策提案を導き出せればと考えています。
第4回分科会では、農業経営で素晴らしい実績を上げるとともに地域農業のリーダー
 としても活躍されている4名の方々に、ご自身の経営や農業の将来への熱い思いを語っていただきました。

第4回分科会写真


2.事例報告
 「集落営農」寺田清男(大畑営農組合 元組合長):葛城市大畑
・いちご、ハーブを中心とした経営で大きな実績を上げる一方、大畑地区の素晴らし
い農地・農業を将来に残したいと集落営農組合の設立を提唱し、その運営を主導し
て県内のモデルとなる集落営農を定着させるなど模範的な地域リーダー。
「野菜」 東口義巳(有限会社とぐちファーム 取締役社長):大和郡山市白土町
・自家生産の野菜を“大和撫子野菜”と名付けてブランド化を図るとともに、特にト
マトの高付加価値化を目指して2,800?の水耕栽培施設を導入し、高級トマトとし
て消費市場から好評を得るなど野菜生産の企業化を実現した先駆的経営者。
「果樹」太津隆司(県果樹研究会 元会長、県指導農業士):五條市西吉野町赤松
・柿園約5haを経営する一方、全国第2位の柿生産量を誇る西吉野の地域リーダー。
  数年後には全国一の銘柄産地としての地位を確立すべく尽力中。
「花き」松井正昭(農事組合法人五條園芸 代表理事):五條市黒駒町
・実兄がアメリカで経営する農園のノウハウを導入し、早くから花きを中心とした経
営で県内の先導的存在。流行を追う消費者指向や景気動向に大きく影響される花き
生産を安定軌道に乗せるべく奮闘中。

3.総合討論
  討論に入る前に、ご多忙中のところを出席下さった井上源一氏(宇陀牧場代表:和牛
数百頭を飼育する奈良県を代表する畜産経営者)にも飛入りトークをお願いし、奈良県
を代表する農業経営者が勢揃いの中での意見交換になりました。
 5名の方々は出席者からの質問や意見に対して、それぞれ自らの経営の現状や方針をはじめ長年の経験に基づく農業に対する考え方等を極めて自然にかつ明快に語られ、参加者一同大いに感銘を受けました。やはり一流の方のお話には蘊蓄があると感じました。

4.おわりに
 次回(7月9日)の分科会は、新しい時代の林業経営のあり方を模索されている方々を招
いて、今後の奈良県林業のあり方等について熱い思いをお聴きし、大いに意見交換をし
たいと思っています。ご期待ください。
 

第2期農林業と食料分科会の概況

第2期は以下のキーワード等について論議していきます。

米作と商品作物/規模拡大と小規模高効率化/新技術・新作物/担い手/新規参入
食料自給率/地産地消/森林資源/県産材の利活用/木質バイオマス利用


座長:木村衛(地域づくり支援機構副理事長)
アドバイザー:藤本高志(大阪経済大学教授)
山下俊之(元.奈良県林務長)
西村元男(奈良県緑化推進協会事務局長)
 

農林業と食料分科会の概況

奈良の将来ビジョンをつくるフォーラム
奈良の将来ビジョンをつくるフォーラム
農 林 業 と 食 料 分 科 会
座長:木村衛


本格的な議論をはじめる前に、奈良県の農林水産業の現状と施策の概要を把握・認識するため、第1回及び第2回の分科会において、次のテーマで農林部の担当者から説明を聴きました。

(農業・農村)
1.農業の現状と課題
2.安全・安心な農産物づくりと水田農業対策
3.大和野菜の取り組みと地産地消
4.農産物のマーケッティング
(森林・林業・木材産業)
5.森林・林業・木材産業の現状と課題
6.林政の基本方針と施策
(水産業)
7.内水面漁業・養殖業の現状と施策

出席者からは様々な意見や質問が出されて、大変有意義な分科会になりました。

第3回分科会-9月18日(土) -では、皆さんからの政策提案をもとに議論をし、激動する社会経済情勢や多様なニーズに対応しうる農林水産業の確立に向けて課題整理をしたいと思っています。

食を賄い、心を癒し、地域社会の基盤を支える農林水産業のあり方を考える分科会に多数のご参加をお待ちしています。